第六十夜「強者な友人たち(その2)」楯野恒雪談

■その2:パンチで除霊 ずいぶん前に聞いた話なので多少不正確な点もあるかと思いますが、“何が起こったのか”については紛れもなく事実です。 私の友人Mさんのお話です。彼は幽霊など見たことがないと言いきる“見えない人”です。オカルトとか怪奇映画には詳しい人なのですが、霊感は全くない人なのです。 ある時、彼の友人の自称霊能者のオカルトマニアの女性(以後Aさん)が、最近引っ越した友達(以後Bさん)のマンションにいる幽霊を除霊をするという話を聞き付け、見物に行くことにしたそうです。 なんでも、髪の長い女の霊が毎晩金縛りにするんだか首を締めるんだかで、Bさんはとても怯えていたのだそうです。 さて、時間にとってもルーズなことで有名なMさんは除霊当日思いっきり遅刻しました。そこでAさんとBさんは彼が来る前に除霊を開始することにしました。 西洋魔術にこっているAさんは、部屋で香を焚いたり、退魔の印を切ったりして霊を追い払う儀式を始めたそうです。すると……なんと、二人の目の前(玄関と二人のいる部屋の間の廊下)に現れたのです、 その女の幽霊が。 それは恐ろしげな形相で二人を睨んでいたそうです。 悲鳴を上げるBさん。Aさんはビビリながらも印を切ると、霊にこの家から出て行って二度と戻って来ないようにと命じました。 しかし、幽霊は嘲笑うような、それはそれは凄絶な笑みを浮かべて、結界が張ってあるはずの部屋にゆっくりと入ってきました。 実はAさん、除霊などするのはこれが初めてだったそうです(おいおい)。 そこに現れたのがMさんでした。 彼はいつものように明るく「ちーす」(「こんちわー」の意)と言ってBさんの部屋のドアを開けました。 「どう、出たー?」 部屋の奥の方で抱きあって震えている二人に気付いていたのかいないのか、彼は靴を脱ぐとズカズカと廊下を歩いて来ます。 驚いた二人が「そこに幽霊が」という暇もあればこそ。 「パーンチ」 突然、Mさんはそう言って前方に向けてパンチを繰り出しました。 幽霊に向けて。 すると、幽霊は突然かき消すように消えてしまいました。 AさんとBさんはしばらく何が起こったのか理解できなかったそうです(そりゃそーだ)。私もにわかには信じがたいのですが、Mさん、何も見えてなかったそうです。 ただ、「なんとなく」パーンチとやってしまったそうで、なんでそんなことをやったのかは自分でも解らないのだとか。それから幽霊は二度とBさんの部屋に現れなくなったそうです。 実家が修験者の家系だったとか、機械と異常に相性が悪くて、銀行のCD機に何度も原因不明の故障を起こさせたとか、なんか色々逸話のあるMさん。彼は道を歩いていて突然「パーンチ」をすることがあります。そんなとき、私はそこに私の見えない何かがいたんだなあと、妙な感慨にふけってしまいます。 こんな友人たちのおかげで、 私は「気合いがあれば霊には負けない」という堅い信念を抱くに至りました。(^^; ------------------------------------ 強者な友人たちの体験談、好評で嬉しいです。 次回は私の失敗談を御紹介したいと思います。 (どうも、私にちょっかい出す連中は絡め手で攻めて来ることが多い……) ●「パンチ」について 「除霊」したわけではないのですが、私も霊とおぼしきものにキックと裏拳をかましたことがあります。私は生まれてこのかた金縛りに遭ったことがありません。でも、何度か上に乗られたり、足を引っ張られたり、首を締められたりしたことがありますが。 キック:ある晩、突然何かに両足首をつかんで上に引っ張り上げられる感覚があって目を覚ましました。その時、相手が何かを考えることなく、反射的に蹴りを放ちました。右足の裏に柔らかいものがヒットする感触と、足首から引きはがされる手の感触。目を開けると、そこには何もいませんでした。ただ、足首に赤い跡が残っている以外…… 裏拳:これはイマイチその時の状況を憶えていません。たしか、俯せに寝ているとき、後ろから何かに首を締められたんだと思います。私は丹田に力を込めると一気に寝返りを打って、そいつに裏拳(もしかしたらエルボーだったかも)を放ちました。よく憶えてないのですが、たぶん命中したと思います。右手に痺れたような感覚が残っていましたから。なぜ、こんなに記憶が曖昧なのかというと、その放った裏拳が勢いあまって、たまたま隣に寝ていた父の顔面にヒットしたせいです(^^;驚いて起きた父に怒られたため、その前にあったことの記憶が少し曖昧になってしまったようです。ともかく、これらの事件で、はからずも幽霊というものが殴れる、蹴れる存在であるのをその身で体験してしまいました。だからパンチの話も嘘とは思えないのです(^^;) 事実は小説より奇なり。 これを始めとして、私はなんか時々、霊に遊ばれてる(化かされてる?)ような事件に遭うコトがあります。もしかしたら、連中、私や友達たちのトコロに肝試しに来ているのではないだろうか……? もしかして、結構ヒマなのか?  

第五十九夜「強者な友人たち(その1)」楯野恒雪談

真「新・あっちの世界ゾーン」チャットルームで話した、 私の強者な友人たちのネタを2つほど書かせていただきます。 困ったことにどちらも実話です。 ■その1:駅から10分、家賃1万5千円 私の友人Oさんは、地元で最も安いアパートを渡り歩いています。 就職直後には「1年後に取り壊すので、その時に出ていってくれるなら」ということで、風呂なしトイレ共同、家賃月5000円のアパートに住んでいました。そこを出ていくことになったとき、また「一番安い物件」という条件で紹介してもらったのが、東京都23区内のJR某駅から歩いて10分、築10年くらいの2LDKの木造アパートでした。 家賃1万5千円。 敷金礼金ゼロ。 もう「出る」と言わんばかりの条件です。 実際、不動産屋さんから「出る」と言われたのですが、Oさんはあまり霊感のある方ではありませんが、一応怪奇小説とかマンガとかの好きな人なので、基本的な対処法は心得ていました。 彼はかつてそこに住んでいた女性が自殺したという四畳半の部屋の周囲の壁という壁、窓という窓に、近所の神社でもらって来たお札を張り、“夜間立ち入り禁止”の部屋にして、そこに住み始めました。 Oさんが幽霊アパートに住み始めたという話はまたたく間に広がり、たくさんの友人が見物しに訪れました。 私もその一人でした。 その部屋だけ確かに隣の部屋と雰囲気というか温度が違います。間違っても夜中に入りたくないというのが私の感想でした。もっとも、私には“夜間立ち入り禁止”といいつつ、キッチリ物置として使っている彼の神経の方が恐い気がしましたが。 私が本当に大丈夫なのかと尋ねると、 「うーん、何か気配はするし、たまに夜中にあの部屋の扉を(内側から)叩くような音とか足音とかするけど。そこにヤツがいるのは、しかたがないからな。そのおかげで家賃安くなってるワケだし。別に実害ないし」 というお答え。 あの部屋で夜中に各種ホラー&スプラッタビデオを見たり、稲川純次の恐い話のビデオを見たり、『トワイライトシンドローム』や『百物語』を一人でプレイできる神経は尊敬に値すると思います。 ホントに。 結局、彼は盲腸で一度入院する以外何ら霊障らしい霊障も受けずに3年間住み続けました。それどころか、いつの頃からかその四畳半の部屋から幽霊の気配がなくなってしまったのです。少なくとも、私には感じられなくなってしまいました。 “閉じ込められて”途方に暮れた幽霊さんは、見物に来たOさんの友人にでも憑いて逃げて行ってしまったのではないかというのが私の想像です。 彼は不動産屋さんから、 「立ち退いてくれればもっといい条件の物件(駅から5分、家賃3万円、幽霊なし)を紹介する」 と言われて、そのアパートから引っ越して行きました。 Oさんが何も文句を言って来ないので、そこにはもう何も出ないと思ったのかも知れません。 現在、そのアパートのあった場所には建て直された新しいアパートが建っています。  

第五十八夜「深夜のサバイバルゲーム」楯野恒雪談

生時代サバイバルゲーマーだった友人OさんとKさんの体験談です。 彼らは学生時代、あるチームに入って一緒にサバゲーをやっていました。 ある日、彼のチームメイトのAさんが面白い話を持ってきました。 彼の父親の会社が持っている廃ビルで夜間市街戦をやろうというのです。 あと1週間で取り壊してしまうので、中でBB弾をいくらバラ撒いても大丈夫。 なんならドアを蹴破ろうが窓ガラスを破ろうが、何をしてもいいとお墨付きをいただいていたそうです。 こんなチャンスはそうそうあるものではありません。 当然、彼らはその話に飛び付きました。 その次の土曜の晩、仲間たち十数名を引き連れその廃ビルに行きました。 迷彩服を着て現場に到着したサバゲーチーム一行。 最初の一戦は中身を知らない方が面白いからと、2チームに別れて正門側と裏門側からビルに侵入し、 15分間の停戦時間内に陣地を設営、その後交戦開始というのが、彼らの設定したシナリオでした。 OさんとKさんはチームメイトがスチール机や本棚を使って陣地を設営している間に、偵察に出ることにしました。 身を潜めつつ廊下を進んでいるとき、二人は非常階段の3階踊り場に人影を発見しました。 「いい位置だ。」 Oさんは思いました。 その位置からなら正面玄関から不注意に出て来た獲物や、その付近の廊下を歩いている目標を狙い撃ちにできます。 しかも、エアガンで1階から3階の敵と闘うのは容易なことではありません。 二人はビル内の階段で屋上に向かいました。 そこからなら斜め上からその男を攻撃できます。 二人は、手摺りの下に隠れて戦闘開始の笛が鳴るのを待ちました。 笛が鳴ると同時に、二人は立ち上がって、先ほどの非常階段の踊り場にいた人影に銃撃を開始しました。 現在のものほど高性能でないとはいえ、一応はフルオート・ガスガンです。 しかも二人は年季の入ったサバイバルゲーマー。 外すわけがありません。 サバイバルゲームでは、弾に当たったら自己申告で“戦死”を宣言し、ゲーム終了まで、その場に倒れているか、両手を上げて“安全地帯”に移動するのがルールです。 にも関わらず、常階段の男は彼らの方を一瞥すると、建物の中へ入って行ってしまいました (暗くて顔は確認できなかったものの、彼らの方を向いたのは確かなようです)。 怒ったOさんとKさんは“タイム”の笛を吹き、両チームのメンバーを全員集めて、今非常階段にいたのは誰かと問い詰めました。 ところが……誰もそこにはいなかったと言います。 嘘をついている様子はありません。 あれだけ弾を浴びせられて、痣ひとつないというのもおかしい話ですから。 よく考えてみれば、OさんもKさんも、踊り場にいた影は銃を持っていなかったような気がします。 彼らはため息ひとつつくと、再び5分間のインターバルの後、ゲームを再開しました。 社会人が多いために夜戦ばかりしている彼らのチームにとって、“本物のゾンビ”に出会うことなど、日常茶飯事だったのです。 結局、彼らは夜明けまでそこでサバゲーをやっていたそうです。 そんな無神経な彼らをも恐怖に震わせる事件が起こったのは、それから数ヶ月経った頃のことです。 彼らのチームは性懲りもなく多磨の雑木林の中でサバイバルゲームをしていました。 例によって2人チームで動いていたOさん&Kさんの耳に、奇妙なうめき声のようなものが聞こえて来ました。 辺りは真っ暗で少し霧も出ています。 さすがの二人も少々ビビリながらも、“こんな時のために”用意しておいた秘密兵器を持ち出しました。 正確な商品名は忘れましたが『密教御念弾』とかなんとか言う、梵字が書かれ、御祓いをしてあるBB弾だったそうです。 彼らはマガジンをその弾の入ったものに入れ換え、うめき声のする方向へ近寄って行きました。 二人とも何度か幽霊らしきものに遭遇したことはありますが、わざわざ近づいて行ってBB弾をブチ込もうなどと考えたのは初めてのことでした。 「あの時、オレたちは霊に操られていたに違いない」 とOさんは私に語っています。 しばらくすると、うめき声が止まりました。 二人も足を止め、いつ“霊”が出てきてもいいように身構えました。 すると、 ガサガサっ 二人の傍の茂みが揺れました。 思わず二人はその茂みに向けて、その梵字つきBB弾を撃ち込みました。 二人はマガジンが空になるまで撃ちました。 Kさんによれば、 「少なくとも100発以上ブチ込んだのは間違いない」 ということです。 乾いたガスガンの発射音が止み、森に静寂が戻ります。 二人が耳をすますと、今度はさきほどとは違った、くぐもったうめき声が聞こえました。 「?」 Oさんはそのやけに現実感のあるうめき声を変に思い、勇気を振り絞って懐中電灯片手に茂みの向こう側をのぞき込んでみました。 そこには…… レジャー用ビニールシートの上で半裸の男女が横たわってうめき声を上げていました。 なにしろ、厚手の軍用迷彩服やパイロットジャンバーの上から痣ができるような威力の代物です。 その全身には無数の小さな痣ができていたそうです。 もちろん、その周囲には梵字の書かれたBB弾が大量に転がっています。 二人はその凄惨な光景に背を向けると、“非常事態発生、全員撤収”の笛を吹き、 一目散にその場を後にしました。 その後、その不幸なカップルがどうなったかは解りません。 二人はいまだに「あれは霊の仕業だ」と主張しています。 もしかしたら、本当にそうなのかも知れません。 カップルの皆さん、外でする時はくれぐれも御注意を……  

第五十七夜「鐘一つモノ」イカ太郎談

OTEF(怪鳥?)さんの復帰をねがいつつ、釣りネタを書いてみましたが、あっちかこっちかわからなくなったので、一応、こっちのあっちに書いてみました。中学校時代まで、私は他愛も無いレベルの釣りを楽しんでいたので、何度もいったものです。 私が神戸の鈴蘭台に引っ越してきた頃の話です。ここにはO部中学校がありますが、これが建設される数年前のことです。この裏手に小さな沼がありました。(今はもう無いのかなぁ) くねり曲がった細いアゼ道。 それを青い雑草がジャマをする。 ガサ、ガサ、ガサ、(雑草をかき分ける音) 私「ヘー。こんなとこに穴場があんのん。」 ガサ、ガサ 友「おう、みんな結構知ってっけどな。」 ガサ、ガサ 私「ずいぶん歩いたみたいやけど。」 ガサ、ガサ 友「んなことないって。グルッとまわってるからな。すりばち状やねん。」 ガサ、ガサ 私「ああ、ほんまや。時計周りやね。」 ガサ、ガサ 右手に沼が見えてくる。 私「ああ。ついたついた。」 友「なあ。向こう岸いかへん?。」 向こう岸……うっそうとした感じで木々がせまっている。 切り開いたように小さな土地がポツン。(6畳くらい)そのやや左中央に木が一本……。 私「ねえ。…なんか…いや…。」 彼「あっ、わかるぅ。あんなぁ、オレらのとなりのクラスな。先生がここにクラス全員と一緒にここに来てん。」 注:地域見学のことですね。 彼「それで、〇〇が”せんせぇ、アレなんですかぁ”って、言いよってんや。」 「ほんで、先生が”なにがですかぁ?”って言いながらクルって見たらぁ。」 「クビつっててん……。ブラーンって。おっさんが。」 私「………………………ほんま?」 (何もかも本当でした。) 彼「みんなに聞いてもいいで。さっ、向こういこっ!」 私「………………………やだってば。」 それでも不思議なことに、これ以後、私は何度もここに来ることになったのです。 誰もがめったに釣れないこのため池…。向こう岸に気を使いながら、奇妙に安らぎを覚えて……。  

第五十六夜「お婆捨て山」信長波平談

今夜は大学に泊まり込みで…………めちゃくちゃ暇です! というワケでしばしの間、御静聴下さい。 (怪談でなくても恐きゃいいんですよね?) お婆捨て山や身売り、それは貧困の中から生まれた生活の知恵だったのでしょうか? ある人曰く 『恐慌になると、金持ちはその財を失うが、貧しい人は心まで失う』 御存じの通り江戸時代の農民の生活は、幕府の『百姓は生かさず殺さず』の政策と度重なる飢饉によって、困窮を極めておりました。農民達のなかには、娘を遊廓に売ったり、赤子を殺したり、老人を山に捨てるたり、いわゆる口減らしを行う者が増えてゆきました。 ある村に、与平という貧しい百姓がおりました。 与平の家族は、寝たきりの母親と嫁と子供6人を抱えていました。 その年は不作でどう考えても家族8人を食べさせることができませんでした。 そこで与平は生産能力のない寝たきりの母親を山に捨てる決心をしました。 ある日の朝母親を乳母車に乗せ、10才の息子と一緒に山へ向かいました。 山頂につき母親を置き、一目散に山を下りました……。 山を半分まで下ると、与平は息子がいないことに気が付きました。 どこではぐれたのかと思いながら再び山を上ると、上から息子が空の乳母車を引きながら、降りてきます。 『お前なにしえるんだ?』と与平が尋ねると 『だって、この乳母車が無かったら、おっとうがじい様になった時、山さ連れていけね~べ?』 と答えたとさ!  

第五十五夜「サ?リオ」信長波平

恐い話しではないのですが、昔私の知人が田園調布にあるサ?リオのいちごの家という、おもちゃ屋に勤務しています。 そこには子供の幽霊が頻繁に現れ夜な夜なおもちゃで遊んでるそうです。 ただ遊んでるというだけで、話し掛けてもこないし、悪さも何もしないそうなので、従業員は気にしていないそうです。 たまに残業中の新人の子が真っ青になって 『子供がいます!』 と言ってくるらしいのですが、すぐに慣れ、 『また遊んでますね!』 という感じになるそうです。 『その子供は何なのか、まったく分からないけど、とりあえず出るんだよね….』 いちごの家は、まだあるかどうか分かりません。  

第五十四夜「開発中に……」イカ太郎談

はじめまして。イカ太郎といいます。 コンビニホラーのゲームで紹介されています、スプラッターハウス2ですが、実は当時、少~し開発に関係していました。 そんなある夜中、チーフグラフィッカーと、たった二人で食事をしつつ、恐い話で盛り上がっていました。 コンパネ(間仕切り)で仕切っているだけの、すぐ隣の会議室で”カタッ”と音がしました。 他に誰も居ないフロアで二人っきり。 今までの二人の会話が止まりました。 はっきりさせたくて(見れるものなら見てみたくて)私はダッシュで隣部屋に行きました。 長机に灰皿(いわゆる、アルミをプレスしたもの)が乗っていました。 確かにこの二つがあたった音です。聞いたばっかりですから間違いないです。 でもおかしい……。 長机の中央に整然と乗っている灰皿が音を出すでしょうか……。 ネズミ?ここは当時新築2年目のビルの6階。 エアコン?確かに動いていましたが弱風でした。 割り切れないものを感じながら隣の部屋に戻り、チーフグラフィッカーにその事を話そうとすると…… 私:あんなぁ、さっきの音おかしいねん。 彼:ええねん。イカちゃん。 私:えっ? 彼:俺なぁ、一人で泊り込みしてるときなぁ、視線感じてコンパネの上をフッと見たことあんねん。 そしたらなぁ、誰かが頭をだしてこっちをジッと見てんねん。 何日か後、別の人が突然 「やっぱり御祓いせんとあかんでぇ。しましょうよぉ」 と猛烈に言っていました。 彼にも何かあったんでしょうか・・・。 なにはともあれ、それで御祓いを行い、それ以上の事は起きませんでした。 ------------------------------ さて、あっち系ゲームの開発に関わらず、この業界は変な事はよく起こるようです。 別の会社に行っていた先輩の話をします。(短かいです) (会社名はどこまで言っちゃって良いのか解りません。とにかく有名なカタカナ三文字。) まず、はるか昔に、これまた有名なスポーツゲームのプログラマーが亡くなっているんです。 ……過労で。 これをその先輩に話したところ、 「あんなぁ・・・」 ということになりました。 先輩はグラフィッカーです。 背中に人が通れる位の間隔を開け、壁を背に開発室でマウス片手に仕事をしていました。 当然のごとく人が通り抜け、先輩は 「んぁ?だ~れぇ??」 と、何気なく振り向きました。 でも、だ~れもいなかったそうです。 通り抜けたと感じた先は……行き止まりだそうです。 これを聞いた私は 「人が通って随分経ってから振り向いたんちゃうんっすか?」 と言うと先輩は 「しょっちゅうや。しかも後ろからジッと仕事を見られている感覚の時もあるんや。」 ……あれから何年も経ちますが、先輩は…… いや、そいつはいるんでしょうか?  

第五十弐夜「南千石の怪」OTEF談

南千石の怪(一部グロテスクな表現があります) おはようございまーす!OTEFでーす。 今日も天気だ、タバコがうまい! そう言えば宇野さん死んじゃったんですね? 死に際にやっぱり芸者を呼んだのかなぁ?……どうでもいいけど。 先週末、私、久しぶりに東京湾にスズキ釣りに行って参りました。 例によって朝暗いうちから行く予定でしたが、相棒の都合で一変、夜釣りをすることに……。 場所は2、3年前によく行っていた「南千石橋」 この場所は魚が群で入ってきやすく、釣れだすと入れ食い状態になったりします。 この近くには「夢の島公園」や「若洲臨海公園」などがあり日曜日などには親子連れや少年釣り師でにぎあいます。 そんな喧噪を避けわがままいっぱいに釣りを楽しむには夜が一番です。 と、いうわけで夜の9時頃から釣りはじめることにして出発しました。 釣り場付近の道路端に車を止めて、いつものように堤防に向かいかけた時 「あれー?ここのフェンスの所の穴ふさがっとるでー!」 と、相棒の声…… ここで解説…… 釣り人というのは恐ろしい人種です。 例えば恐ろしく切り立った海岸線の崖などにロープがぶらさがっていたりします。 これは、先人が「良い釣り場」を追い求めるために取り付けた物です。 落ちたら100パーセント死ぬ様な場所でも「魚が釣れる」と思えば平気で渡ったりします。 反対に「魚が釣れるんやったら死んでもいいわ!」と思ってる奴の方が多いかもしれん! 堤防に置かれた長い棒(梯子の代わりにする)なんかもそうです。 同様に、「立入禁止」の表示を無視したり、その先に進むためにフェンスを破るなんていうのは当然の行為なのです。 ・・・・・・・・解説終わり 私、 「そんなことないやろ!この前来た時は通れたやないか!」 相棒、 「なんか、新品のフェンスになっとるで!全部張り替えられてるがな。」 私、 「東京都も金あるやんけ!わしが壊すのも知らんとはおろかものめーーーーー! がっはははははは」 私たちはペンチでフェンスを壊し堤防へと突撃していきました。 狭い堤防の上を注意深く歩きながら、一番端っこのちょっと広くなった所に到着! ランタンを灯し、釣りの準備にかかります。 時々懐中電灯を顔にあてて 「海ボウズやー!うひょひょーーー」 ・・・・・・・・・・ 釣り始めて1時間たちました。 一回も当たりが来ない……。浮きがピクリともしません。 「お前なぁ!「釣り人の霊」連れてきたやろが……全然釣れへんやんか!」 「お魚釣りたいよー。釣りたいよー。て言うとるのがお前の後ろにとり付いとるでー、がっはははは……」 などと、ふざけている時、反対側の端っこの所に灯りが見えました。 灯りの方に向かって 「釣れますかーーーーーーーー?」 とよびかけたところ、灯りが4回点滅しました。 「つ・れ・な・い」 でしょうか? まあ、一緒に釣りしてる人がいると言うことはなんだかうれしいですよね。 メインの釣りの方がサッパリだったので彼を相手にして遊んでいました。 シャドウフィッシングと言って、いかにも魚が釣れたようなアクションをして反応を見たり パンツ一丁で唄ったり、 チンポコを出してバチバチやったり、脚の間に挟んでカルーセール麻紀やったりしてました。 でも、彼はいつもライトを4回点滅させるだけでした。 その間、そんな私にライトを当ててくれてた相棒には感謝してますです。 結局のところ、それから2時間釣りましたが一回も当たりがないままだったので今日は止めた方がいいな!って事になり、車の所にかえることに…… 帰り際、反対側を見ましたが誰も居ず、 「お前のカルーセル麻紀を見てあきれて帰ったんじゃねえの?」 と、相棒。 「その通り!」 と、私。 ところが、車の所が大変な事に!! パトカー2台と警官4人で私の車が囲まれてました。 「君達!ダーメじゃないか!立入禁止だよこの場所は!」 「すみません!以前来た時は、OKだったんで、悪いとは思いながらも入ってしまいました。」 (こういう時の私、とっても素直) 「魚釣りするのも良いけど、規則を守ってくれないと困るよ!」 「君達以外に堤防に居る人はもう居ないね?」 「はい、確か10時頃までは端っこにもう1組やってたと思いますけど、うちらよりも先に帰ったみたいですよ。」 「君はなーにをいってんの?私たちは9時過ぎからここでこの車の運転手(私)を探していたけど、堤防から帰ってきた者は一人もおらんぞ!それに……」 「それに、ここで釣りなんかする奴は居ないよ!あっちの堤防の端っこあるだろ?あそこで去年のくれに釣り人が死んどるんやで!それになぁ、死体がまだあがってないんや。みんな知っとるぞ!だから、フェンスを新しく張り替えて入れなくしとるのに、お前らは……」 あちゃー! と、言うことは彼は本物の「釣り人の霊」だったわけですね…… 4回の点滅の意味は 「つ・れ・な・い」じゃなくて 「つ・り・た・い」だったのでしょうか? どっちにしても アーメン!  

第五十壱夜「ワラ人形」信長波平談

実話ですっっっっっ!!! あれは私が高校二年のときでした。当時私達三人は、毎週のように山のロッジを借りて、酒と食べ物を持ち込み恋や夢なんかについて、語りあっていました。 その日は金曜日のでした。 私達は学校が終わるといつものように、駅で私服に着替え、酒と食べ物を買い奥多摩のロッジに向かいました。ロッジに着くとさっそくビールを開け、ペチャクチャ喋り、たしか午前二時を回ったくらいのことです。 『いつもの所行こうぜ』 友人の一人が言い出しました。いつもの所とは、ロッジからすこし山を登った所にある神社のことで、そこから街が見下ろせ、とても綺麗な所でした。20分ぐらい歩き神社に着くと、石段の上から…… 『コーン…..コーン..』 と音がきこえます。 実はこの時点で私達は何となく予想がついていたのです。 『まさか……なあっ?』、 とりあえず、私達は面白がって登っていきました。しかし、私達が見たものはとてもやば~い雰囲気でした。さすがに白い着物着て、ろうそくを頭に付けてはいませんでしたが、御神木にわら人形をククリ付け、木の周りをろうそくで囲み、ピンクのカーディガンに黒っぽいスカートをはいた女がキズチでコンコンやってました。 『にげよっ…….』 私は呟きました……そして私達が階段を下りようとしたその時! 『一つ積んでは父の為~ 二つ積んではははのため~』 思わず大爆笑してしまいました。 『それは水子の歌じゃぁぁぁぁぁ~』 私は声を出してしまったことに後悔し、振り向くと、案の定こっちを見ていました。 そして彼女は、ゆっくりとその場に倒れ込み泣き始めました。 とりあえず私達は全速力で逃げました。 『邪魔してすまんっっっしっしかし、それじゃ呪はかからんぞぉぉぉぉ~.』 ロッジに帰ってから大論争になりました。 『呪って人に見られたら失敗なんだろ?』 『なんか悪いことしたな…』 『謝った方がいいんじゃん?』 『呪邪魔してごめんなさいってか?馬鹿じゃないの?』 『いや切実な問題として、自殺されたらいやじゃん?』 というわけで私達は謝りに行くことになりました。 ところが神社に行く途中の道で会ってしまったのです。 私達は焦り、 『さっさっきは、すいません!』 『………………』無言です。 『邪魔するつもりは無かったんです。』 『………….』 『またやりなおせばいいじゃないですか?』 呪をか?何言ってんだ? 『……………..』 『他人のすることに興味ありませんし、誰にもいいません』 『……………』 『あんだ?てめ~、謝ってんだろ~が!なんとか言えよ!』 友人はキレました。 ほとんど逆ギレ状態。 『………』 それでも無言です。 『だいたいな~俺達が見ても見なくても失敗なんだよ!てめ~が歌ってたのは、水子の歌だろ~が!根本的に間違えてんだよっ!』 すると彼女は、にま~っと笑うと、 『いいのよ….おろさせるためにやってるんだから….』 『のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~』 次の瞬間私達は全速力で逃げだしていました。 彼女の言った言葉の意味はわかりませんでした。 しかし、とてもオゾマシイ話を聞いたような気がして、恐くて恐くて、今でも彼女の言葉の意味はよくわかりません、なんとなく分かる様な気がするのですが、あまり考えたくありません……いたこ28号さんはどうおもいます? とりあえず彼女はちがう世界の住人だったのでしょう……。  

第五十夜「壁」信長波平談

私の友人の父親から聞いたはなしです。 仮に田中さんとしておきましょう。 田中さんは某テレビ局のプロデューサーです。 これは彼が30才の時の話です。 田中さんは30才の時結婚しました。 相手は当時のアイドル歌手(わかっちゃうかな?) そしてその時彼女はすでに身重でした。 さすがに今の家では狭いので、早速家探しを始めました。 どうしても都内がよく、かといって金も無い……! あきらめかけていた時、やっと一軒みつけました。 駅から5分!日当たり良好!激安!なにより広い! すぐさま契約をすると早速そこに移り住みました。 仲間は『怪しいよそこ……安すぎる……』といいましたが、ヒガミだと思い気にしませんでした。 ところが異変はすぐに始まったのです。 奥さんの具合が悪くなりました……。 毎晩血だらけの女が夢に出てくるというのです。 『気のせいだろ…』 彼は相手にしませんでした。 しかし怪奇現象はエスカレートしてゆきました。 『洗濯してたら視界に女が立ってたの……そっち見たら消えてたけど……』 『疲れているんだよ…』 『でも、いつも誰かに見られているきがするの……』 残業から帰ってきた田中さんに奥さんが泣きながら抱き着いてきたこともありました。 日に日にやせ細りっていく妻が心配になった彼は局の同僚に相談しました。 すると同僚は一人のマジシャンを紹介してくれました。 みなさん御存じのテンコウさんです。 とはいっても、今の女性の方ではなくその師匠のほうです。 彼は霊視能力があったそうです。(結構有名な話らしいけど……) そして彼に相談すると一言 『引っ越しなさい!奥さんが見ているものは本物で、とても危険です。できるなら今日にでも……』 田中さんは不安になり家に電話をかけました。 『あなた!すぐに帰ってきて!』 『どうしたんだ!?』 『いいから…早く!』 彼はいそいで帰宅しました。 すると奥さんは玄関の前で待っていました。 『どうしたんだ?』 『近所の奥さんにきいたの!この家自殺があったんだって……女の人が一人で住んでて、御近所と付き合いもなかったから発見も遅れて……それで……腐ってて……』 『おい!落ち着けよ、順をおって説明してくれ』 『男に裏切られたんだって……ノイローゼ-になって、それで手首を切って……でもなかなか死ねなくて……のたうちまわって……だから見つかった時は部屋中血だらけで……血は拭いても落ちなかったから……床は張り替えて……壁には……上からはり紙はっただけ……私こんな家いやよっ!!!』 田中さんはその話をきくやいなや、家に入り壁紙をはがしました…… ……するとそこには ……とまらないよ …..とまらないよ …….とまらないよ ………とめて …とめて ….とまらないよ….. と血で書いてあったそうです。 これは実話です。