実話ですっっっっっ!!!
あれは私が高校二年のときでした。当時私達三人は、毎週のように山のロッジを借りて、酒と食べ物を持ち込み恋や夢なんかについて、語りあっていました。
その日は金曜日のでした。
私達は学校が終わるといつものように、駅で私服に着替え、酒と食べ物を買い奥多摩のロッジに向かいました。ロッジに着くとさっそくビールを開け、ペチャクチャ喋り、たしか午前二時を回ったくらいのことです。
『いつもの所行こうぜ』
友人の一人が言い出しました。いつもの所とは、ロッジからすこし山を登った所にある神社のことで、そこから街が見下ろせ、とても綺麗な所でした。20分ぐらい歩き神社に着くと、石段の上から……
『コーン…..コーン..』
と音がきこえます。
実はこの時点で私達は何となく予想がついていたのです。
『まさか……なあっ?』、
とりあえず、私達は面白がって登っていきました。しかし、私達が見たものはとてもやば~い雰囲気でした。さすがに白い着物着て、ろうそくを頭に付けてはいませんでしたが、御神木にわら人形をククリ付け、木の周りをろうそくで囲み、ピンクのカーディガンに黒っぽいスカートをはいた女がキズチでコンコンやってました。
『にげよっ…….』
私は呟きました……そして私達が階段を下りようとしたその時!
『一つ積んでは父の為~ 二つ積んではははのため~』
思わず大爆笑してしまいました。
『それは水子の歌じゃぁぁぁぁぁ~』
私は声を出してしまったことに後悔し、振り向くと、案の定こっちを見ていました。
そして彼女は、ゆっくりとその場に倒れ込み泣き始めました。
とりあえず私達は全速力で逃げました。
『邪魔してすまんっっっしっしかし、それじゃ呪はかからんぞぉぉぉぉ~.』
ロッジに帰ってから大論争になりました。
『呪って人に見られたら失敗なんだろ?』
『なんか悪いことしたな…』
『謝った方がいいんじゃん?』
『呪邪魔してごめんなさいってか?馬鹿じゃないの?』
『いや切実な問題として、自殺されたらいやじゃん?』
というわけで私達は謝りに行くことになりました。
ところが神社に行く途中の道で会ってしまったのです。
私達は焦り、
『さっさっきは、すいません!』
『………………』無言です。
『邪魔するつもりは無かったんです。』
『………….』
『またやりなおせばいいじゃないですか?』
呪をか?何言ってんだ?
『……………..』
『他人のすることに興味ありませんし、誰にもいいません』
『……………』
『あんだ?てめ~、謝ってんだろ~が!なんとか言えよ!』
友人はキレました。
ほとんど逆ギレ状態。
『………』
それでも無言です。
『だいたいな~俺達が見ても見なくても失敗なんだよ!てめ~が歌ってたのは、水子の歌だろ~が!根本的に間違えてんだよっ!』
すると彼女は、にま~っと笑うと、
『いいのよ….おろさせるためにやってるんだから….』
『のわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~』
次の瞬間私達は全速力で逃げだしていました。
彼女の言った言葉の意味はわかりませんでした。
しかし、とてもオゾマシイ話を聞いたような気がして、恐くて恐くて、今でも彼女の言葉の意味はよくわかりません、なんとなく分かる様な気がするのですが、あまり考えたくありません……いたこ28号さんはどうおもいます?
とりあえず彼女はちがう世界の住人だったのでしょう……。