第三十夜「助けて」螺旋談

投稿者: | 2023年5月19日

こっちの世界ゾーン掲示板にしてしまった呪いで、バイオがミラクルで、だいじょぶだ現象を起こしてしまいました。
このままではいたこさんに怒られてしまう。そう思った私は唯一自分が体験した恐い話を話そうと思います。
ううぅぅぅうぅ明るいうちしか書けないし…恐いけど…

私は多感な中学生の頃、今では考えられないくらいの金縛り体質でした。(そんな体質があるかは知りませんが)とにかく何でも始めてというのは期待と不安にかられるのですが、私はとにもかくにも、怖がり……でしたので、その時は恐怖以外の何者でもありませんでした。

私の金縛りになるパターンというのは大体決まっており、深夜の2時過ぎごろ、突如目が覚めます。
と、キーンと耳鳴りがして、その直後、金縛りになります。
深夜2時頃目覚めるというのはそれだけで私にとっては恐怖でした。
窓の外に吹きすさぶ風の音。
天井がきしむ音。
ステレオの時計表示の光。
すべてが恐怖を煽り立てるものでした。
いま、世の中に生きているのは自分だけではないか?
そんな錯覚すら覚えました。

しかし、そんな想像力豊かで恐がりな私でも、そうしょっちゅう金縛りに遭っていれば慣れます。この体験はそんな慣れきった自分の甘さが招いた恐怖の出来事です。
注)いつものオチはありませんがこの話もすべて実話です。

この頃、何故か周りの友人も恐怖体験をしていました。
思春期特有のものなのでしょうか?
よくその話を聞いては、眠れない夜を過ごした記憶があります。
好奇心旺盛な怖がりほど厄介なものはありません。
友人の話はよく覚えていませんが、確か人形が動いてたとか、そんな感じでした。
既に記憶から消しかけているみたいです。

そんな怖がりな私が、当時、身に付けたものがあります。
それは金縛りを解くという技(?)です。
前触れである耳鳴りを察知したとき、体をぐっと寝返りを打つように横に向けます。
これをやると、金縛りにあう事はありませんでした。
これをやらないと、100%金縛りにあいましたけれど……
恐がりの私にとっては身に付くべくして身に付けた技とも言えます。

ある日の事、私はクラブ活動で疲れ(吹奏楽だったが)、その日は眠るように死んでいました……?

すみません…逆でした…。死んだように寝ていました。

はっ…っと気づくといつもの時間。
深夜2時過ぎ。
草木も眠る丑みつ時……
そしていつもの耳鳴り。
くたびれていた私はこう思っていました。

「どうせ金縛りにあっても、寝てるんだから一緒だ」

そして金縛りを解く事をしませんでした。
疲れていたから。
それだけの理由で疲れが恐怖を押しのけました。
恐がりでも慣れるものは慣れる。
それくらいしょっちゅうあっていたのです。

ぴきんっ!

「あ…きたきた…」

慣れというものは恐ろしいもので、その時はなんの恐怖も感じていませんでした。
その時までは。

「ん……?」

足元に何かはうような感覚。
そこで私はようやくいつもの金縛りと違う事に気が付きました。

ぞわぞわぞわ…

それは徐々に私の顔のほうに上がってきました。

恐怖

股のあたりからお腹のあたりへ。

恐怖恐怖!

そして胸のところへ!

恐怖恐怖恐怖!

ピタリ

それは胸のあたりで止まった。

ドクッドクッドクッドクッ!
心臓の音が激しく打ち鳴らされる!
息が苦しい!
もちろん恐怖のため、目なぞ開けられるはずが無い!
一呼吸を置いて、次の瞬間!

「助けて…助けて…」

女性の声で2回、助けてと左耳につぶやきかけられたのです!

あ………

恐怖。

絶句。

動転。

その後金縛りは解け、慌てて部屋の明かりを点けました。
恥ずかしながらその日は母親の部屋で寝る事にしました。
それから1週間くらいはその声が耳に付き、離れる事がありませんでした。
その当時は寝ぼけ眼にそこに誰かいるとかぬかして、親をよく怖がらせたそうです。(覚えていない)
まさか…これが霊感体質とか言うもの!?(今更)
ちなみに今ではこのような体験は皆無です。

あぁ…何度思い出しても鳥肌が……

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