第六夜「飴の鞭」天河花子談

投稿者: | 2023年4月16日

これは、俺が専門学校時代のクラスメイツi(男)の体験談だっ!

iは某銀行支店長の息子だ。iは次男坊で12才年上の兄がいる、年をとってからできた子はかわいい……。それは、年の離れた弟にも当てはまるのだろう。iは両親と兄に可愛がられ、ぬくぬく育った。そんなわけで、iはかなりわがままだ。i19才、彼(と両親&兄)に「飴と鞭」という言葉は無縁だった。やさしい兄は、新車を買ったやさしい兄は、iにお古の車を与えた(飴)RV車だ。

iは、喜んだ。iは、走った。海へ、山へ、走りまくった。

そしてある日、女をとなり乗せ山林を走りにいった。そこに待ち受けるのは、iの人生最大の恐怖(鞭X鞭?)とも知らず……。

iには彼女が2人いる(当時)。iは最近狙っている女(3号予定)を乗せ、夜のドライブとしゃれこんだ。

iの「男の方程式(今日こそこの女ヤル!理論)」本人談

男らしく思われたい+やりたい=車をかっこよく乗りこなす

愛車(自慢)=RV車(はやり)

RV車=山道(心霊スポット)

山道(心霊スポット)=怖い

怖い<やりたい

というわけで、地元でちょっとばかり有名な心霊スポットへ向かった。なれない車、暗い山道、幾重にも分岐する悪路、霧が少々……iは道に迷った、はずんでた会話が止まり、不機嫌になる女、焦るi(やりたい)。

何だかんだで1時間。無言の二人。流れ込む「あっちの空気」。さらに分岐する道。iは迷った、右か左か

「右……」

怒で無言だった女が口を開いてくれた。iの顔に明るさが戻った(ヤレる?)。さらに分岐

「左……」

iは喜び勇んで左に曲がる。iは女の言うとおりの道へ進む。もうすぐ山道を抜けることができる、そして・・ヌケる?。iはそう信じていた。

「ソノママ、マッスグイケ」

女の指示は続く、

iは思った「なんか変だ!」

「モウスグ・・モウスグ・・・・」

iは気がついた、女の声がだんだんしゃがれていく事に。ここはどこだ、iは考えた、答えはすぐにでた、そう、ここは地元でちょっと有名な心霊スポット。iは恐ろしくなって(鞭?)急ブレーキを踏んだ。道は舗装されてない、車は少々スリップして止まった。すると霧の向こうに町の灯りが見え、眼下には崖が広がっていた。

「…ち…く・しょ・う…」

女はそう言い残すと眠った、いや、最初から寝ていたのだ。

数日後、iはその女と縁を切った。無論女は、あの夜起きた出来事を知らない・・・(実話)

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